2006 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体機能異常による細胞内カルシウムシグナルと記憶学習の障害
Project/Area Number |
18059003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森口 茂樹 東北大学, 大学院薬学研究科, 助手 (70374949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 浩司 東北大学, 大学院薬学研究科, 教授 (90136721)
塩田 倫史 東北大学, 大学院薬学研究科, 助手 (00374950)
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Keywords | ジャンクトフィリン / 記憶学習機構 / 小胞体 / BSRP / 海馬 / CaM Kinase II / LTP / 電気生理学的解析 |
Research Abstract |
本領域研究において、小胞体機能を担うジャンクトフィリンならびにBSRPの記憶学習に及ぼす影響についてジャンクトフィリン遺伝子欠損マウスならびにBSRP遺伝子欠損マウスを作成し、電気生理学的手法、生化学的手法、免疫組織化学的手法、行動薬理学的手法を利用して解析した。その結果、ジャンクトフィリン遺伝子欠損マウスでは、行動解析により有意な記憶学習機能の低下が認められ、同時に、海馬CA1領域におけるLTPの有意な低下が認められた。さらに、Afterhyperpolarization(AHP)の解析をスライスパッチ法により検討した結果、ジャンクトフィリン遺伝子欠損マウスではAHPが認められず、Ca2+ activated K+ channel(SK channel)の異常が誘導されていることが、記憶学習機能の低下に関与していることが明らかとなった。また、海馬CA1領域では、記憶学習に重要な役割を果たすことが報告されているCaM Kinase IIの活性に異常が認められた。以上の結果は、小胞体機能を担うジャンクトフィリンが記憶学習機能に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。(Moriguchi et al.,PNAS(2006)) 一方、BSRP遺伝子欠損マウスにおいても同様に記憶学習機能の低下が行動解析により明らかとなった。現在、より詳細な解析を遂行中である。本研究により、記憶学習機能において小胞体が重要な役割を果たしている可能性が明らかとなり、今後、より詳細に検討を予定している。
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