2006 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポートソームの機能制御による医薬品体内動態の制御
Project/Area Number |
18059007
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠原 洋之 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (00302612)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 玲子 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (70361607)
|
Keywords | トランスポートソーム / ABCトランスポーター / 体内動態 / 腎尿細管分泌 / 血液脳関門 / 血液精巣液関門 / 排出輸送 |
Research Abstract |
医薬品体内動態に重要なトランスポーターを明らかにするため、ABCトランスポーター(MRP4、BCRP)のノックアウトマウスを用いて、医薬品・食品由来の化合物(フラポノイドやステロールなど)について、in vivoで体内動態特性を検討した。抗ウイルス薬であるadefovirおよびtenofovirは投与後、Mrp4ノックアウトマウスでは腎臓中度は増加した。しかし、尿細管分泌はMrp4ノックアウトマウスでも残っており、Mrp4だけで腎刷子縁膜の排出輸送が説明できないことが明らかになった。cidofovirは同じく抗ウイルス薬であるが、adefovirおよびtenofovirとは異なりピリミジン塩基の構造類似体である。cidofovirはMRP4の基質とならなず、かつ腎臓中濃度もadefovirおよびtenofovirに比べて高く、腎臓に蓄積することを明らかにした。MRP4以外に有機アニオンの排出に働くトランスポーターとして、膜電位依存型排泄トランスポーターOATv1(Npt1)のノックアウトマウスのブリーディングを開始した。腎刷子縁膜での発現をWestern blotにより確認した。メスマウスではNPT1の発現は見られなかった。ノックアウトマウスの腎刷子縁膜ではNPT1の発現が消失していることを確認した。予備的に、p-アミノ酸の尿細管分泌を測定したが、野生型マウスとの間に差は見られなかった。BCRPが脳毛細血管内皮細胞の他、精巣、精巣上体の内皮細胞に発現していることを見出した。BCRPノックアウトマウスでは脳および精巣、精巣上体にイソフラボンであるgenisteinが蓄積することから、BCRPは内皮細胞で異物排泄に働いていることが示唆された。ABCトランスポーター(MRP4)のC末内部配列をbaitとして、相互作用蛋白を同定した。HEK293細胞に内因性に発現しており、siRNAを用いてノックダウンできる条件を確立した。
|