2006 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドトランスポートソームの実体解明と発現・局在調節における生理的意義
Project/Area Number |
18059018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
乾 賢一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70034030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 敏也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10283615)
寺田 智祐 京都大学, 医学研究科, 助手 (10324641)
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Keywords | ペプチドトランスポータ / トランスポートソーム / 蛋白質間相互作用 / 極性上皮細胞 / 細胞膜 / 薬物動態 |
Research Abstract |
我々はこれまで、ペプチドトランスポータPEPT1の臓器分布、輸送特性、活性調節機構、発現変動機構などについて検討を行うとともに、数理学的モデルに基づくPEPT1輸送シミュレータの開発を進めてきた。しかし、PEPT1の細胞膜局在化機構については未だ不明な点が多い。予備的検討からPEPT1を含むトランスポートソームの生理機能の一つとして細胞膜局在化に関与する可能性を見いだされたことから、本研究ではPEPT1と相互作用する蛋白質の同定に着手した。PEPT1のC末端側細胞質内部位とグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白質を作成し、腎臓および小腸組織由来の試料を用いてプルダウンアッセイを行ったところ、PEPT1と特異的に結合する蛋白質が複数検出された。現在、PEPT1結合蛋白質の解析を進め、PEPT1の細胞膜局在に果たす役割の解明を試みている。さらに、PEPT1のヒト組織における発現を定量的に解析するとともに、PEPT1の小腸特異的な発現には転写因子Cdx2が関与し、Cdx2と他の転写因子Sp1の相互作用が重要であることを明らかにした。また、絶食によりPEPT1の小腸における発現が亢進するが、その発現調節にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPARα)が関与していることを示した。さらに、PEPT1の発現量の違いによる輸送活性の変化を予測するシミュレーターの開発に成功しており、今後はこれらの発現調節因子や膜局在の制御因子を組み込んだシミュレーターの構築にも取り組み、PEPT1やPEPT1結合蛋白質の発現変動によるPEPT1活性変動の予測法の開発に取り組む予定である。
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