2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンシグナルによるトランスポーターの細胞内輸送制御機構の解明
Project/Area Number |
18059026
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 英明 九州大学, 薬学研究院, 助手 (80291524)
|
Keywords | リソソーム / ユビキチン / 蛋白質分解 / エンドサイトーシス / エンドソーム / 小胞輸送 |
Research Abstract |
細胞膜表面で機能するトランスポーター・チャンネル・ポンプ等輸送分子は通常は形質膜上に留まらず、一定の割合でエンドサイトーシスされエンドソームを経由して細胞表面へとリサイクルされ、また必要に応じてリソソームまで運ばれて分解を受ける。このようなメンブレンダイナミクスにより定常状態における細胞表面の輸送分子の数は規定され機能発現が制御されている。申請者は変異型SKD1(E235Q)の過剰発現により、変型したエンドソーム(動物細胞におけるVpsクラスEコンパートメント)にユビキチン化された膜蛋白質が蓄積することを見出し、さらにそこに蓄積したユビキチン化膜蛋白質の網羅的プロテオミクス解析に成功した。興味深いことに同定された膜蛋白質の中にトランスポーターやチャンネル分子が含まれていた。ユビキチン化によるこれら分子の選別輸送機構について分子レベルでの解析を行い、これらトランスポーターのユビキチン化の生理的意義について明らかにすることを目的として研究を行い、現在までに以下のことに付いて明らかにした。 (1)ユビキチンリガーゼであるNedd4と相互作用するNedd4 interacting protein 2(NDFIP2)がConnexin43のユビキチン化・分解を負に制御していることを見いだした。NDFIP2のRNAiによるノックダウンによりConnexin43の分解が促進され、Lucifer Yellowの細胞質マイクロインジェクションによりGap-junctionの機能が低下していることを見出した。さらにGFP-NDFIP2の過剰発現によりConnexin43の分解が抑制され、Gap-junctionの形成が促進されることも明らかにした。現在これらの現象がNDFIP2とNedd4の相互作用に依存するかについて、相互作用に必要なPY-motifに変異を導入した変異型GFP-NDFIP2安定発現細胞株を作製して解析を行っている。 (2)これまでに亜鉛イオンを細胞内に取り込む輸送体であるSlc39A14が細胞表面に局在する事を明らかにした。最近他のZipファミリー分子が培地中の過剰の亜鉛イオンにより特異的にユビキチン化・分解を受ける事が報告された。Slc39A14が同様な亜鉛イオン濃度依存的なダウンレギュレーションを受けるかについて検討する。
|