2007 Fiscal Year Annual Research Report
耳垢決定遺伝子ABCC11は膜輸送分子複合体形成の基盤遺伝子か
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18059027
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉浦 孝一郎 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (00304931)
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Keywords | ABCC11 / QGP-1 / 耳あか遺伝子 / yeast two hybrid system / アポクリン腺 |
Research Abstract |
目的 1.抗ABCC11抗体を分離したので、ABCC11の発現組織を明らかにし、機能推測の手がかりを得て、機能解析を行う 2.耳垢型の差異による、耳垢腺・腋窩アポクリン腺の解剖学的な違いを明らかにする 3.細胞内の差異を分子的な構成成分の違いとして確定させる 成果 抗体による免疫組織化学解析により、膵臓islet、胃の腺組織、下垂体前葉、腎臓遠位尿細管などに強く発現していた。また、蛍光免疫染色によると、耳垢型が湿型のヒトの耳垢腺・腋窩アポクリン腺において、管空側(apical side)に分泌物を内包していると思われる細胞内小胞器官が認められた。つまり、耳垢型の差異による耳垢腺・腋窩アポクリン腺組織の解剖学的差異は、分泌物の有無として認められ、またABCC11の遺伝子型の違いによると判断された。 解剖学的な差異を示した湿型細胞内ABCC11トランスポーター複合体の免疫沈降・質量分析による複合体構成成分の同定を行う目的で、耳垢腺と同様に細胞内分泌物を内包した培養細胞を免疫蛍光染色した結果、膵臓islet由来somatostatin産生細胞であるQGP-1細胞が培養条件により、細胞内分泌物を内包することが分かった。今後はこのcell lineを使って、免疫沈降・質量分析を行えるものと期待される。 現在、ABCC11と相互作用する蛋白質同定のために、ABCC11タンパクのC-末端側を用いて酵母two-hybridシステムによるスクリーニングを行っている。C-末端側は、27塩基対の欠失による変異型アリルが見られているので、酵母two-hybridシステムにより同定されたタンパクの真偽の検討が素早く行える。 酵母two-hybridシステムと培養細胞からの免疫沈降・質量分析で今後のABCC11トランスポートソーム複合体の単離同定を行っていく。
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[Journal Article] Quantitative structure-activity relationship analysis and molecular dynamics simulation to functionally validate nonsynonymous polymorphisms of human ABC transporter ABCB1 (P-glycoprotein/MDR1).2007
Author(s)
Sakurai A, Onishi Y, Hirano H, Seigneuret M, Obanayama K, Kim G, Liew EL, Sakaeda T, Yoshiura K, Niikawa N, Sakurai M, Ishikawa T.
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Journal Title
Biochemistry 46
Pages: 7678-7693
Peer Reviewed
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