2006 Fiscal Year Annual Research Report
Na,Ca膜輸送分子複合体の機能制御とその病態機序の解析
Project/Area Number |
18059031
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
岩本 隆宏 福岡大学, 医学部, 講師 (20300973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 泰秀 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50305380)
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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Keywords | Na^+ / Ca^<2+>交換輸送体 / TRPCチャネル / 膜分子複合体 / 血管収縮 / 遺伝子改変マウス / 細胞内Ca^<2+>シグナル |
Research Abstract |
本研究では、各種遺伝子改変マウスをツールに用い、血管平滑筋に発現するNa^+/Ca^<2+>交換輸送体(NCX1)の膜輸送複合体の分子構成、制御機構および病態学的役割を解明することを目的とする。本年度、マウス摘出灌流腸間膜動脈を用いた血管径および細胞内Ca^<2+>濃度変化の同時測定実験から、α_1受容体刺激による血管収縮(Ca^<2+>働員)にNCX1を介するCa^<2+>流入が関与する証拠を得た。つまり、このCa^<2+>流入は特異的NCX1阻害薬であるSEAO400により抑制され、またNCX1を高発現させた腸間膜動脈で著明に促進された。通常、血管平滑筋のNCX1はエネルギー論的にCa^<2+>流入を起こさないと考えられている。そこで、私達はこの分子機序を説明する作業仮説として、NCX1が受容体活性化Na^+透過性チャネルと複合体を形成して特殊膜領域に局在し、局所的なNa^+濃度増加を介してCa^<2+>流入が誘導されることを想定した。実際、NCX1抗体を用いた免疫沈降実験の結果から、血管平滑筋においてNCX1とTRPCチャネルが複合体を形成することが示唆された。この分子機序を解明するため、TRPC3およびTRPC6チャネルの血管平滑筋特異的な高発現マウスおよび低発現マウス(ドミナントネガティブ)を作製した。さらに、この膜輸送複合体の局在に関係することが推定されるカベオリン3およびアンキリン2の低発現マウスの準備を進めている。来年度、これらマウスをツールに用い、NCX1/TRPCチャネル分子複合体の機能的役割を包括的に明らかにしたいと考えている。
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