2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ca2+活性化Cl-輸送に働くトランスポートソームの分子構成と生理機能
Project/Area Number |
18059032
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
山崎 純 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (50230397)
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Keywords | Ca^<2+>活性化Cl^-チャネル / 上皮細胞 / CLCA / Cl^-輸送 / 細胞内小器官 / 微小管 / 顎下腺 / エンドソーム |
Research Abstract |
近年申請者は、Ca^<2+>活性化Cl^-チャネル関連分子rCLCAのcDNAをクローニングし、そめ遺伝子産物が特異的にラット顎下腺導管上皮細胞に局在し、Cl^-の再吸収に寄与することを報告した。本年度は、その生理活性の空間的・時間的不均一性を説明するために,rCLCAが膜輸送複合体構築を取る必要性があるという仮説を立てながら、輸送小胞におけるrCLCAの局在と細胞内シグナルによる時空間的動態を明らかにすることを目的にした。TetR制御によるrCLCAの安定発現HEK293細胞株を樹立してrCLCAの性質を詳細に検討した。翻訳後修飾によって全長120kDaのN型糖タンパクがプロテオリシスによって86kDaが産生された。両者は細胞膜および細胞内小器官膜に局在し、後者のみが細胞膜に局在することが明らかになった。また後者の一部は細胞外へ分泌することが認められた。密度勾配遠心によって細胞内小器官の分離をすると,86kDaタンパクは初期エンドソーム輸送に関与する低分子量Gタンパク質Rab5で認識される密度画分に分布した。一方で、120kDaタンパクは後期エンドソームやリソゾームの機能に関与するRamp2で認識される密度画分に分布した。免疫蛍光染色によって、rCLCAの一部はRab5やリサイクリングエンドソーム輸送に関与するRab11、ならびに微小管を構成するα-tubulinと共局在することが明らかになった。エンドサイトーシスされたtransferrinはrCLCA陽性小胞に局在が良く一致した。rCLCAの細胞内局在と機能との対応は当初想像していたよりも複雑であり、上皮細胞におけるrCLCAの多機能性に関与する可能性があった。唾液腺におけるCfチギネル関連タンパクのイオン輸送への関与並びにその機能を説明する膜輸送複合体の分子構築について更に研究を進める予定である。
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[Journal Article] Roles of CLCA and CFTR in electrolyte re-absorption from rat saliva2006
Author(s)
Ishibashi, K., Yamazaki, J., Okamura, K., Teng, Y., Kitamura, K., Abe, K.
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Journal Title
J. Dent. Res. 85 (12)
Pages: 1101-1105