2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18060002
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅村 和夫 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20117360)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (60291267)
|
Keywords | T細胞恒常性維持 / ニッチ / 記憶T細胞 |
Research Abstract |
【目的】免疫系の中心的な役割を担うT細胞の発生・分化・増殖は骨髄・胸腺・二次リンパ組織などの免疫系特有の臓器で行われ、その意味でT細胞特異的細胞外環境が深く関わっている。中でも、記憶T細胞の成立・維持に関与する細胞外環境については全く不明である。記憶T細胞成立に関わるT細胞恒常性維持増殖にはレパトア競合という現象が知られ、ある特定のレパトアが生体内に十分量存在すると同一のレパトアは増殖できない。これまでの研究により、T細胞副刺激分子OX40からの細胞内シグナルがCD4陽性T細胞の生存・維持に強く関与するとともにOX40シグナルが各レパトアのニッチ拡大に関わる可能性を見出した。すなわち、T細胞恒常性維持にはレパトア特異的ニッチが存在し、ニッチを介するT細胞恒常性維持にOX40が関与すると考えられる。本研究では生体内におけるCD4陽性記憶T細胞恒常性維持に関わるニッチに必要な機能分子、特にOX40に焦点を当てて、細胞外環境因子の解明を試みる。 【結果】CD4陽性T細胞移入実験系において、OX40シグナルがCD4陽性T細胞恒常性維持増殖に促進的に機能することを見出した。次に、上記CD4陽性T細胞移入実験において阻害性抗OX40L抗体および抗IL-7受容体抗体投与を行ったところ、CD4陽性ナイーブT細胞恒常性維持増殖は、抗IL-7受容体抗体投与のみでほぼ完全に抑制され、抗OX40L抗体はほとんど抑制が見られなかった。一方、CD4陽性記憶T細胞の恒常性維持増殖は、どちらかの抗体単独投与により強く抑制され、さらに両者の投与により完全に抑制された。すなわち、CD4陽性ナイーブT細胞とCD4陽性記憶T細胞恒常性維持に関わるニッチは機能的に異なる可能性が示唆された。
|
Research Products
(6 results)