2006 Fiscal Year Annual Research Report
エンドスルファターゼSulfFPによる細胞間シグナリングの調節機構の解明
Project/Area Number |
18060005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩見 健輔 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (00311598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝 正幸 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (20243032)
桝 和子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (50344883)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / スルファターゼ / 細胞間シグナリング |
Research Abstract |
我々は、発生期の神経系から新規のスルファターゼSulfFPを単離し、SulfFPが胚において特徴的な発現を示すこと、既存のスルファターゼとは異なり細胞外に存在すること、エンドスルファターゼ活性を持つことを明らかにした。従って本酵素は、ヘパラン硫酸(HS)の硫酸化パターンを修飾することにより細胞外環境を変化させ、細胞外シグナルの調節因子として働くと予想されるが、その生体内での機能は不明である。本研究では、実験生物学的解析が容易なゼブラフィッシュを用いて、遺伝子の過剰発現実験や機能阻害実験を行い、SulfFPの生理的な機能を解明することを目指している。最終的には、HS糖鎖の硫酸化修飾による細胞外シグナルの調節機構を明らかにしたいと考えている。 今年度は、まず、新たに単離したゼブラフィッシュスルファターゼSulfFP3の発現パターンの解析を行った。その結果SulfFP3は、24時間胚の脊髄、脳の腹側部で発現が観察された。脊髄では、SulfFP1、SulfFP2も発現が観察されるが、それぞれの発現部位は微妙に異なっており、より詳細な発現部位の解析を胚の切片を作製して行う予定である。 次に、培養細胞で発現させたゼブラフィッシュのSulfFPのスルファターゼ酵素活性を人工基質である4-MUSを用いて測定した。すると、SulfFP1とSulfFP2は、スルファターゼ活性化酵素であるSUMF1の存在下で、スルファターゼ活性を持つ事が判明した。SulfFP3は、発現量が他のスルファターゼに比べて少なかったためか、活性化があまり観察されなかった。 次に、SulfFP3に対するモルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチド(MO)を作製した。このSulfFP3-MOを胚に顕微注入する事により、SulfFP3遺伝子がノックダウンされる事が期待できる。まだ注入量などの条件検討をおこなっている段階ではあるが、SulfFP3-MO注入胚では、胚の形態が異常になる事を明らかにしており、今後分子マーカーを用いた詳しい表現型の解析を進める予定である。
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Research Products
(2 results)