2007 Fiscal Year Annual Research Report
2次リンパ組織の微小環境形成を制御するシグナルネットワークの解明
Project/Area Number |
18060007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 泰身 The University of Tokyo, 医科学研究所, 講師 (50327665)
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Keywords | リンパ組織 / 獲得免疫応答 / 組織分化 / シグナル伝達 / サイトカイン / NF-kB / B細胞 / ケモカイン |
Research Abstract |
リンパ組織においてリンパ球が産生、分化、維持されるためには、リンパ球とストローマ細胞間あるいはリンパ球間に存在する細胞外微小環境が必要である。本研究はリンパ組織内微小環境の形成に必要なシグナルネットワークと、免疫制御における重要性を明らかにすることを目的としている。TNF-receptor associated factor 6(TRAF6)は細胞表面レセプターからのシグナルを伝達し細胞の増殖や分化を制御するタンパク質である。前年度までに、TRAF6を介したシグナルが脾臓のストローマ細胞で機能することで、微細構築を維持していることを見つけた。これはTNFファミリーの一つであるリンホトキシンからのシグナルの機能に類似している。ところが、TRAF6はリンホトキシンシグナルに必要ないことがIn vitro実験により明らかとなった。リンホトキシンシグナルとTRAF6シグナルの役割分担を明らかとするために、リンホトキシンシグナルに関与するリンホトキシンα(Ltα)、NF-κB inducing kinase (NIK),RelBの欠損あるいは変異マウスとTRAF6欠損マウスの表現型の違いを詳細に検討した。その結果、Ltα、NIK,RelBの欠損あるいは変異マウスは生後3日目からの脾臓の構築に異常が有するが、TRAF6欠損マウスでは生後8日めまでは正常に構築形成するもののその後の構築の形成と維持ができないことが判明した。また脾臓の構築に必須であるケモカインCXCL13の発現はTRAF6欠損マウスでは生後8日目から減少し、14日目にはほとんど検出されなかった。前年度の結果と合わせると、TRAF6シグナルは脾臓のストローマ細胞、恐らく濾泡樹状細胞において、リンホトキシンシグナルとは異なった分化段階で機能することでCXCL13の発現を制御し、脾臓の構築形成を促すことが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)