2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨・軟骨の恒常性維持におけるケモカイン及びC型レクチンの役割の解明
Project/Area Number |
18060010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西城 忍 東京大学, 医科学研究所, 技術専門職員 (60396877)
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Keywords | 遺伝子 / 応用植物 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 発生・分化 |
Research Abstract |
関節は骨・軟骨や滑膜、腱など多種多様な組織で構成される一つの運動器である。正常に機能するためには同一組織内の細胞集団はもちろん、異なる組織間での細胞集団の細胞外環境が重要な役割を担う。我々は疾患モデルマウスを用いて関節炎発症機構の解析を行ってきたが、関節炎関連遺伝子として同定した2遺伝子が関節を構成する因子のうち骨・軟骨形成およびその代謝に関与していることを示唆するデータを得た。これらの知見をふまえ、本研究ではこれらの遺伝子の(1)骨形成/代謝における役割、(2)軟骨形成/代謝における役割の2点を明らかにし、最終的に関節という一つの運動器全体における正常な細胞外環境の維持機構を理解することを目的としている。 本年度は、骨髄細胞特異的にケモカインレセプター遺伝子を欠損させたマウスの組織学的解析の結果、骨幹端部における骨の増加を見出し、このマウスが大理石骨病様の表現型を示していることを明らかにした。さらに、骨表面における破骨細胞数の減少を認め、このケモカインが破骨細胞あるいは破骨細胞前駆細胞の骨表面への遊走に重要な役割を果たしていることが示唆された。また、加齢とともに関節症を自然発症するC型レクチン遺伝子欠損マウスの詳細な病態解析の結果、関節病変局所における軟骨増殖と骨の異形成とは独立に大腿骨における骨密度および骨塩量の低下を見出し、このマウスが骨粗懸症様の表現型を示していることが明らかとなった。これらのマウスの表現型から、これらのケモカイン及びC型レクチンが骨・軟骨の恒常性維持において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(40 results)