2006 Fiscal Year Annual Research Report
非コラーゲン性骨基質蛋白オステオポンチンの細胞制御メカニズム
Project/Area Number |
18060014
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野田 政樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50231725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江面 陽一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50333456)
早田 匡芳 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (40420252)
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Keywords | オステオポンチン / 骨髄 / 尾部懸垂 / Egr1 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
本研究はオステオポンチンのマトリックス蛋白ならびにサイトカインとしての両者の機能を備えた特性に基づく細胞のシグナル制御に関わるメカニズムの解明を目的とした。本年度においてはオステオポンチンのマトリックス制御における役割の検討を行った。即ちこのオートクライン・パドクライン因子としてのオステオポンチンの機能を明らかにする為にオステオポンチンノックアウトマウスならびに野生型マウスの骨髄より細胞を得てこれをフラスコに撒き、これらの細胞の単層培養においてアスコルビン酸およびべータグリセロリン酸の存在下で3週間以上行った後,石灰化マトリックス組織の定量を行い、また動物に対しては、メカニカルストレスの除去としてtail suspension(尾部懸垂)を行った四群における比較を行った。この解析によって、オステオポンチン欠失細胞においてはアポトーシス関連分子Bax発現の亢進が尾部懸垂で起こること、また一方でp53の亢進は野生型でのみ起こり、オステオポンチンのノックアウトマウスにおいてはベースラインが高いのみならず、尾部懸垂による変化がないことが明らかになった。更にBSPについてはオステオポンチンノックアウトでベースラインの上昇と尾部懸垂によるその亢進が観察された。これらの観察は逆にEgr1ではオステオポンチンの有無に関わらず、いずれも発現が低下することから、特異的な現象と考えられた破骨細胞の培養のレベルにおいても、尾部懸垂による骨芽細胞の石灰化形成の低下や破骨細胞の分化マーカーであるTRAP陽性の多核の破骨細胞の形成の冗進はいずれもOPNの欠失によってブロックされ、このことから、この細胞のマトリックス分子がメカニカルストレスによる骨芽細胞ならびに破骨細胞の機能制御のうえで役割を持つことが、細胞レベルならびに分子レベルの両面から明らかとなった。
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