2006 Fiscal Year Annual Research Report
造血系細胞分化に関わる細胞外環境としての造血系細胞の研究
Project/Area Number |
18060016
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
瀧 伸介 信州大学, 大学院医学研究科, 教授 (50262027)
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Keywords | ナチュラルキラー細胞 / 樹状細胞 / 遺伝子 / 造血 / 骨髄 / インターロイキン15 / インターフェロン / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
in vitro骨髄細胞培養系において、NK細胞がsyngenicなプレB細胞の増殖を、インターフェロンγ(IFN-γ)の産生を介して抑制していることを見出した。すなわち、骨髄細胞をIL-7存在下で培養するとプレB細胞が増殖するが、同時にIL-15を添加するとこの増殖が抑制された。同様の培養をIL-15欠損、もしくはIRF-1欠損マウス由来の骨髄細胞で行うと増殖抑制は見られなかった。さらに、骨髄細胞よりNK細胞を除くとやはり増殖抑制が見られなくなった。以上のことから、IL-15によって増殖もしくは活性化したNK細胞がプレB細胞の増殖を抑制していると考えられる。一方、IFN-γ受容体を欠損するマウス由来の骨髄細胞でもプレB細胞の増殖は抑制されず、実際IL-15の添加によってIFN-γが産生されていた。MHCクラスI分子の存在しないβ2ミクログロブリン(β2m)欠損マウス中で分化したNK細胞は、いわゆるライセンシングの欠如によって、様々な活性化受容体を介したIFN-γ誘導を含む活性化に欠陥があり、アロ骨髄細胞の移植拒絶ができない。しかしながら、β2m欠損マウス由来骨髄細胞を用いた場合でも本システムにおけるプレB細胞の増殖抑制はむしろより強く働いた。以上のことから、syngenicプレB細胞の増殖抑制に関しては、ライセンシングが不要であることがわかった。さらに、この現象は、ポリI:Cなどの投与によってNK細胞を活性化してやるとプレB細胞の現象が野生型マウスでは見られるが、IFN-γ受容体では見られないことからin vivoにおいても機能しているものと考えられる。
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