2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機化学を基盤にしたGPCR細胞外環境のケミカルバイオロジー研究
Project/Area Number |
18060020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 真也 京都大学, 薬学研究科, 助手 (80381739)
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Keywords | CXCR4 / GPR54 / ケモカイン / 癌 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
細胞の遊走に関わるSDF-1/CXCR4系の受容体活性化メカニズムについて詳細に検討する目的で、選択的CXCR4アンタゴニストであるFC131およびT140を基本骨格とする、二量化リガンドのデザインと合成を行った。その結果、オルニチン上の架橋によって二量化したリガンドが、IC50=100nMながらCXCR4拮抗活性を有していることを明らかにした。また、動物実験で利用可能なペプチド性リガンドの創製を目指して、生体内での優れた薬物動態が期待されるペプチドのPEG化について検討を行った。その結果、親化合物に比較して10分の1以下の活性ではあるものの、一部の誘導体にサブマイクロモルレベルの阻害活性が認められた。 受容体の二量化や局在を検出するための抗体に代わる分子プローブの創製を目指して、蛍光標識CXCR4リガンドの分子設計と合成を行った。T140もしくはFC131誘導体のアミノ基に、フルオレセインもしくはAlexa488を結合した各種誘導体を化学合成し、受容体拮抗活性を評価したところ、T140誘導体の複数の化合物に親化合物とほぼ同等のナノモルレベルで効果を示す阻害活性が認められた。 GPR54受容体リガンドについて、FM052aおよびFM053aをリード化合物として構造活性相関研究を行い、5残基からなる新規GPR54アゴニストTOM80を見出した。TOM80の関連化合物について、詳細な定量的構造活性相関研究を行い、N末端の安息香酸誘導体上の置換基がアゴニスト活性に関与していることを明らかにした。さらに、選択的アンタゴニストの創製を目指して、種々誘導体を合成したが、アゴニスト活性が低い化合物はいずれも受容体に対する結合親和性が弱いものであり、アンタゴニスト活性を有する化合物は得られなかった。
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Research Products
(25 results)