2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨及び免疫ホメオスターシス維持におけるセマフォリンの役割の解析
Project/Area Number |
18060024
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
熊ノ郷 淳 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10294125)
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Keywords | 樹状細胞 / セマフォリン / 破骨細胞 / 細胞外因子 |
Research Abstract |
セマフォリンファミリーは従来神経ガイダンス因子として同定されてきた分子群であるが近年、器官形成、血管新生、脈管形成、癌の進行、免疫応答などへの関与も報告され、生体の組織構築及び細胞の運命を決定する代表的な細胞外因子の一つと考えられている。本研究では免疫及び骨組織を中心に生体の発生及びホメオスターシス維持におけるセマフォリンの役割を細胞レベル及び組織・個体レベルで明らかにすることを目的としている。今年度の研究によりPlexin-A1欠損マウスの作成・解析からPlexin-A1欠損下での樹状細胞機能低下と破骨細胞分化・機能異常を明らかとなるとともに、Plexin-A1が樹状細胞及び破骨細胞においてTrem-2・DAP12分子と会合することで有する多彩な活性を担っているとのモデルを示した(Nat Cell Biol. 8,615-622,2006.)。セマフォリンのRho、Rac等のsmall GTPaseの活性制御への関与も見出すとともに、セマフォリンシグナル欠損樹状細胞のリンパ節移動における障害を見出し、セマフォリンの免疫細胞移動への関与も証明している。またSema6D以外の細胞外環境に存在するSema4A、Sema4D,Sema7Aなどのセマフォリン欠損マウスの解析を行い、セマフォリン分子群が細胞外因子として、免疫系のホメオスターシス維持に必須の役割を果たしていることを明らかにしている(PNAS 104,1621-1626,2006, J.Immunol., 177,3406-3412,2006)。
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Research Products
(4 results)