2006 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚の前後軸形成におけるBMPシグナルの役割とそのタンパク挙動の解明
Project/Area Number |
18060025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 正道 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助手 (70423150)
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Keywords | 遠位臓側内胚葉 |
Research Abstract |
BMP受容体タイプ2型(BMPR2)欠損マウス(宮園浩平博士より供与)、BMPR2とActivin受容体タイプ2b型との二重変異マウス、BMPR2とNodalとの二重変異マウスの解析を通し、Bmpシグナルが前後軸形成の最初である遠位臓側内胚葉(DVE)の形成に必須であることが示された。しかし、野生型胚でBmpシグナルをリン酸化型Smad1(p-Smad1)の免疫染色法を用いてモニターするとDVEの形成時期以前ではp-Smad1が存在するにもかかわらず、DVE形成開始とともにp-Smad1が消失していた。この時期部位特異的なBmpシグナルがDVEの形成に必須なのかを調べるため異所的なDVE形成が起こる野生型胚の胚体外外胚葉を取り除いた胚及びLefty1欠損マウス胚を用いてp-Smad1の染色領域を調べてみた。その結果、DVEが形成される部位ではp-Smad1が異所的に消失していることがわかった。これよりDVE形成にはBmpシグナルが時期部位特異的にON/OFFとなることの重要性が示された。更に、これまでの報告ではDVE形成にはNodalシグナルが重要であると示されてきていたが、Nodal系シグナル(ActivinやTGFβシグナル)をモニターするリン酸化型Smad2(p-Smad2)の免R染色法を用いて調べると臓側内胚葉全体で存在していることがわかり、Nodalシグナル特異的に阻害するLeftyが存在してもこのp-Smad2は存在していること。Lefty1が欠損しているとp-Smad2の量が多くなり、DVE領域が広がること。異所的なActivinによりDVE領域が広がること。これらよりDVE形成時にNodalシグナルはDVE細胞の量を制御し、DVEの形成にはActivinシグナルが働いていることが明らかとなった。
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