2006 Fiscal Year Annual Research Report
多様な細胞間シグナルを変換するセクレターゼの生理活性脂質変換酵素による制御機構
Project/Area Number |
18060033
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
坂根 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10183815)
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / 上皮増殖因子受容体 / プロテインキナーゼC / ホスファチジン酸 / TACE / RACK / リン酸化 / lipid phosphate phosphatase |
Research Abstract |
ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)δのノックアウト(KO)マウスを作成したところ,全く意外にも本マウスの新生仔はまぶたが無いことを含め上皮系組織の形成に異常が認められること,生後24時間以内に死亡することなど上皮増殖因子受容体(EGFR)やtumor necrosis factor-α converting enzyme(TACE)のKOマウスの表現型と酷似していることを見出した.更なる解析により,DGKδがPKCの活性抑制を介しEGFRのシグナル伝達(セクレターゼ(TACE)を活性化する)を正に制御することにより,細胞外環境を変化させ,個体発生のキーエンザイムの一つとして機能することを明らかにした. DGKδによるEGFRやTACE活性の制御機構を明らかにする目的で,DGKδとの相互作用部位を酵母two-hybrid法と免疫沈降法を用いて検索・同定した.その結果,DGKδのC末領域とreceptor for activated C kinase 1(RACK1)のC末約半分(WD repeat 5-7)が相互作用することが明らかになった.現在,互いによる活性制御の可能性について検討中である. 先に我々によりクローン化されたlipid phosphate phosphatase(LPP)(別名:II型ホスファチジン酸(PA)ホスファターゼ)は,細胞外のPA,リゾPAやスフィンゴシン1リン酸等の生理活性脂質を分解し,その機能を消失させることが知られている.今回,LPPアイソザイムの細胞膜における存在状態を検討した.その結果,LPP3はTritonX-100不溶性のラフトに存在するが,LPPIもCHAPS不溶性の性質の異なるラフトにLPP3と分離して存在することを発見した.
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Research Products
(8 results)