2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18060037
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲嶋 一範 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90280734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 慎二 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10365439)
田畑 秀典 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80301761)
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Keywords | 大脳皮質 / 神経細胞 / 細胞移動 / 脳室下帯 / 多極性細胞 / 子宮内胎児脳電気穿孔法 |
Research Abstract |
マウス大脳皮質の興奮性神経細胞の多くは、脳室に面した脳室帯で誕生し、その後放射状に脳表面へと移動した後、整然とした層構造を形成することが知られている。この細胞移動過程を細胞外から制御するシグナル経路を解明することを目指して、脳室下帯付近に一過性に蓄積する多極性移動細胞群に特異的に発現する分子、及び、中間帯や脳室下帯に多く発現する細胞外シグナルを検索する実験を引き続き行った。得られた候補分子群について、胎生16日、胎生18日、生後7日の三点においてin situ hybridizationを行い、発現様式を明らかにした。その結果、発生過程にのみ一時的に脳室下帯等に強く発現し、生後は発現が見られなくなる分子群、及び、発生過程には脳室下帯に発現し、生後は皮質浅層(遅生まれ神経細胞を含む)に発現する分子群の両者が見いだされた。後者は、皮質浅層神経細胞に発生初期から成熟期に至るまで持続的に発現している分子と考えられた。以上のうち、特に受容体が多極性移動細胞に強く発現し、そのリガンドである細胞外シグナルがそれに隣接した部位に分布する組み合わせを少なくとも2組、また、脳室下帯から中間帯を移動中の細胞に受容体が発現し、その細胞外リガンドが皮質板に発現する組み合わせを1組見いだした。まずは前2者について、機能阻害実験及び強制発現実験を子宮内胎児脳電気穿孔法等によって行ったところ、多極性移動細胞の形態及び移動様式に影響を及ぼすことがわかった。
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