2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18060039
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
服部 浩一 順天堂大学, 医学研究科, 助教授 (10360116)
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Keywords | 血管内皮増殖因子 / CXCI-12 / トロンホポイエチン / マトリックスメタロプロテイナーゼ / 虚血壊死組織 / kit-ligand / 線溶系因子 / ストローマ細胞 |
Research Abstract |
研究代表者らは、これまで骨髄由来細胞の動員と末梢組織再生機構との関連性を研究主題としており、骨髄ストローマ細胞の活性化は、プロ酵素からのマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)への変換を促進し、主に骨髄ストローマからのKit-ligandをはじめとするサイトカインプロセシングが誘導されること、またこれに応じて骨髄内の骨芽細胞領域に存在すると考えられている組織幹細胞の分化及びその増殖が賦活化され、末梢組織中へと動員及び浸潤した好中球やマスト細胞をはじめとする骨髄由来細胞が血管新生因子の供給源として組織再生に関与すること等を報告してきた。今年度の研究では、マウス大腿虚血肢モデルを使用し、生体内虚血組織に骨髄由来の各種細胞によって誘導される微小環境の変化、すなわち虚血ニッチの形成と血管新生及び壊死組織の再生過程との関連性について研究を進めた。昨年度の研究で、末梢壊死組織において、骨髄由来の各種細胞が組織内に集族し、血管内皮増殖因子(VEGF)を供給し、組織再生を促進していることを解明したが、今年度の研究では骨髄由来細胞中、特に血小板が生体中でVEGF担体として機能していること、さらに血小板増殖因子でもあるトロンボポイエチン(TPO)が血管新生を制御していること、さらにTPO遺伝子欠損マウスによる実験では、ストローマ細胞由来のケモカインCXCL-12が血小板数、機能の制御に関与していることを解明した。本年度の研究成果は、壊死に伴う虚血ニッチの形成がVEGF、CXC1-12シグナルを活性化し、骨髄由来の特にヘマンジオサイトと名付けられたVEGF受容体-1(VEGFRl)陽性CXCR 4陽性細胞の動員を誘導し、これらの細胞がHUBとなって血管新生及び組織再生を促進することを示唆している。加えてCXCL-12の活性化は、新たな組織再生促進療法の標的となる可能性を有していると言えよう。
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Research Products
(4 results)