2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラミニンα5鎖の受容体結合部位とその結合メカニズムの解明
Project/Area Number |
18060041
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
吉川 大和 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (20274227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野水 基義 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00311522)
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
宇谷 厚志 京都大学, 医学(系)研究科, 助教授 (10292707)
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Keywords | 基底膜 / 細胞接着 / ラミニン / インテグリン / ルテラン / 細胞外マトリックス / 細胞生物学 |
Research Abstract |
本研究課題は、基底膜の主要な細胞接着性分子であるラミニンα5鎖とその受容体であるintegrinα3β1(以降:インテグリン)とLutheran/B-CAM(以降:ルテラン)に着目し、ラミニンα5鎖の受容体結合に関わる構造的基盤とそれを認識するインテグリンとルテランによる細胞接着メカニズムの解明を目的としている。本年度の研究では、インテグリンとルテランが結合するラミニンα5鎖の構造的基盤を解明するため、インテグリンとルテランの結合領域のさらなる絞り込みを行なった。これまでの研究から、ラミニンα5鎖のC末側にあるLGドメインにその受容体結合をつかさどる領域があることが知られている。さらに、LGドメインは5つのモジュール(LG1-5)からなり、α5鎖LG3ドメインがインテグリンとルテランの結合に関わる重要な構造であることが明らかになってきている。しかしながら、これまでの研究はラミニンα5鎖のC末側からの変異導入であり、α5鎖LG3ドメインよりN末側にあるα5鎖LG1-2ドメインが受容体結合に関与する可能性が残されていた。我々は、α5鎖LG1-2ドメインをインテグリンの結合親和性が弱く、ルテラン結合能が見られないラミニンα1鎖のLG1-2ドメインで置き換えたキメラα鎖を作製し、インテグリンとルテランの結合を調べた。その結果、α5鎖LG3ドメインのみではインテグリンとルテランの結合が見られず、その結合にはラミニンα5鎖LG3ドメインだけでなく、α5鎖LG1-2ドメインが必要であることが解った。このことから、インテグリンとルテランの結合は独立したモジュール構造の接近によって形成されるより高次な構造に依存することが示唆された。今後は、この結果をもとにペプチドや組み換え蛋白質の産生を行ない、インテグリンとルテランの結合メカニズムをより詳細に明らかにする。
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Research Products
(6 results)