2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18062002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 雅治 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50161120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾中 晋 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40194576)
東田 賢二 九州大学, 工学研究院, 教授 (70156561)
友田 陽 茨城大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90007782)
辻 伸泰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30263213)
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Keywords | 強化機構 / ひずみ速度依存性 / 破壊靭性 / 転位 / 結晶粒微細化 / 中性子回折 / ECAP / ARB |
Research Abstract |
銅の単結晶とARB(繰り返し重ね接合圧延)加工材について,引張変形時の変形応力のひずみ速度依存性を比較した結果,高サイクルARB加工材は高いひずみ速度感受性を示すことがわかった. 種々の金属・合金に対して巨大ひずみ加工が適用され超微細粒組織が作り込まれているが,六方晶金属に関する研究例は極端に少ない.そこで代表的六方晶金属である純Tiに対してARB法による巨大ひずみ加工を施し,さらに焼鈍を施して組織と機械的性質の変化を調べた.その結果,純TiのARB・焼鈍材は,同じような処理を施したAlやフェライト鋼に比べ,優れた強度-延性バランスを示すことがわかった. 巨大ひずみを付与すると結晶粒を微細化することができるが,試料内の組織は不均一で顕微鏡観察などでは観察視野によって異なる.そこで,透過能に優れ、材料試験片サイズの試料全体を測定対象にできる中性子回折法により,材料中の結晶粒径や転位密度について試料全体の平均と分布の影響を同時に検討した.ECAPを受けたAlとCu,ARB加工を受けたIF鋼とAlについて粒径と転位密度の変化を測定した.粒径は加工度の増加に伴って最初に大きく減少しその後も徐々に減少する.転位密度は最初に増加を示すがその後停滞し,減少する場合もあることがわかった. ARBを行ったIF鋼は,液体窒素温度においてもその延性を損なわずに高いシャルピー衝撃値を示す.このことは,ARBにまってIF鋼の脆性-延性温度(BDTT)が,より低温度側に遷移することを示す.そこで本研究では,ARBを施した試料を用い,巨大ひずみ加工と結晶粒微細化効果による低温靱性向上について考察した.その結果,結晶粒微細化によるBDTTの低下が,転位源間隔の減少によって説明できる可能性を示す実験的な証拠を得た.
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