2007 Fiscal Year Annual Research Report
高次に精密制御された巨大ひずみ加工プロセスによる高信頼性高密度格子欠陥材料の創製
Project/Area Number |
18062005
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀田 善治 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (20173643)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅本 実 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90111921)
飴山 恵 立命館大学, 理工学部, 教授 (10184243)
戸高 義一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (50345956)
|
Keywords | 巨大ひずみ / 高密度格子欠陥 / 形状不変加工 / 表面強化 / クライオミリング |
Research Abstract |
本計画研究では、巨大ひずみ加工による高密度格子欠陥材料の創製、および、そのための巨大ひずみ加工による高密度格子欠陥組織形成メカニズムの解明を行う。平成19年度は以下の点を明らかにした。 巨大ひずみ加工による高純度アルミニウムの結晶粒超微細化には3つの過程があうことが分かった。第1段階はひずみ導入に伴う転位の蓄積、第2段階では粒内転位密度は減少し結晶粒界の高角化、第3段階はひずみを加えても硬度一定の定常状態である。純度が高いと定常状態での結晶粒径は大きくなり、転位の動き易さが結晶粒径に影響する。 純銅(OFHC)でのHPT加工によれば、高密度格子欠陥の導入には低温・高ひずみ速度の条件が有利である。また、純Tiに、室温・高圧下でHPT加工を施すことで、準安定なω相が形成し、このω相は、約150℃でα相へ変態した。 焼戻しマルテンサイト組織のS55C(ビッカース硬さHv4.5GPa)にドリル加工を施すことにより、最大厚さ0.15mmのナノ・サブミクロン結晶粒組織が形成し、硬度Hvは10Gpaとなった。 振動型ミリング装置に液体窒素供給システムを設け、積層欠陥エネルギー(SFE)の異なる純金属材料に極低温加工を施して加工組織を比較したところ、ミリング中の動的回復が抑制され結晶粒の微細化が促進された。また、純Feと純Niでは室温、極低温ともに層状組織の分割によって結晶粒が微細化されるのに対し、純Cuでは変形双晶の形成および局所的なひずみの蓄積による再結晶粒組織の形成によって微細化が進行した。
|