2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノドット不揮発性メモリのナノインテグレーション
Project/Area Number |
18063002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 徹 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 教授 (40417382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 誉史 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10374969)
ペイ ヤンリ 東北大学, 国際高等研究教育機構, 助教 (70451622)
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Keywords | 量子ドット / 不揮発性メモリ / 半導体超微細化 / ナノ材料 / 半導体物性 / High-K絶縁膜 |
Research Abstract |
本研究では、High-k絶縁膜と金属ナノドット(ND)を用いた新型不揮発性メモリを提案し、微細かつ大容量のメモリデバイスの実現を目指して開発を進めてきた。平成20年度までに、Self-Assembled Nanodot Deposition (SAND)法を用いて、W-ND/Co-ND/FePt-NDなどの金属(合金)ナノドットを高密度で形成することに成功した。また、不揮発性メモリの制御絶縁膜としてHigh-k絶縁膜を用いたMIS型キャパシタを作製し、金属ナノドットへの低電圧書き込みを実現した。平成21年度は、大きな仕事関数を有するCo-NDを中心として研究を展開した。MIS型キャパシタの電荷保持特性の測定から、W-NDに較べてCo-NDメモリの電荷保持時間が大幅に向上することを実証し、これが仕事関数差に起因した結果であることをWKB法を用いた計算によって検証した。また、高密度co-NDフローティングゲートとHfO_2のHigh-k制御絶縁膜を有する不揮発性メモリトランジスタを試作し、メモリ特性に関して詳細に評価した。その結果、大きなメモリウィンドウ(~6.5V at +10V/-10V)や優れた書き換え耐久性(~10^6Cycles)、10年の寿命(10年後のメモリウィンドウ2V)や2bit/Cell動作といった特性を実現することに成功し、金属ナノドット不揮発性メモリが次世代メモリの最有力候補であることを明らかにした。さらに、金属ナノドットゲートスタック内に仕事関数の異なる単層金属ナノドットを多層に重ねて、ゲートスタック内部に変調ポテンシャルを形成し、高速書き込みと電荷保持特性を両立する多層金属ナノドット不揮発性メモリの原理検証も行った。作製したメモリ構造は、仕事関数の小さなW-NDをbottom-layer,仕事関数の大きなCo-NDをtop-layer、中間絶縁膜を3nmのSiO_2とした。W-ND/Co-NDおよびCo-ND/Co-ND構造のMIS型キャパシタを作製し、変調ポテンシャルを形成したW-ND/Co-NDキャパシタの方が良好な電荷保持特性を有することを確認した。現時点のデバイスでは、W-ND/Co-NDキャパシタとCo-ND/Co-NDキャパシタの電荷保持特性の差は小さい。
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