2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18063010
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田部 道晴 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (80262799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪川 洋 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (50393757)
池田 浩也 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (00262882)
ラトノ ヌルヤディ 静岡大学, 創造科学技術大学院, 助手 (70402245)
小野 行徳 NTT, 物性科学基礎研究所, 主任研究員 (80374073)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 電子・電気材料 / トンネル現象 / シリコンナノデバイス |
Research Abstract |
本研究は、単電子(単正孔)の輸送過程を制御した新機能デバイスを開拓し、ポストスケーリングへの展開を図ることを目的としている。平成18年度の主要な成果を項目別に記す。 (1)単正孔トランジスタによるフォトン検出効率(QE)の向上:QEを向上させるための予備的研究として、下地Si基板をこれまでのn^+からp on p^+に変更し、本年度はまず暗状態でp型エピ層の中のドーパントイオンの検出を試みた。その結果、極低温で基板バイアス印加時に、ドーパント1個ずつがフリーズアウトした中性状態からイオン化した状態に移行することを観測した。これは世界的に見てもほとんど例がなく、平成19年6月の国際会議で発表予定である。フォトン検出につながる重要な成果である。 (2)ランダム多重接合系における単電子転送:Pドーパントを有するSiナノワイヤFETで単電子特性が得られ、かつ高周波ゲート印加時に、高周波1サイクル毎に1電子の転送が生じることを見出した。シミュレーション解析も並行して行い、不均一なトンネル多重接合において極めて広いパラメータ範囲で単電子転送が可能であることが判明し、実験結果と整合するものであった。これについても平成19年6月の国際会議で発表予定である。 (3)転位網利用周期ポテンシャルFETの作製:転位網をチャネル部に内包するFETを作製した。ほぼ期待通りの転位網を形成できた。S/D領域からのPドーパントの拡散効果を見出したが、不明な点が多く、今後さらに検討していく。
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