2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18063010
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田部 道晴 Shizuoka University, 電子工学研究所, 教授 (80262799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 浩也 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (00262882)
猪川 洋 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (50393757)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 電子・電気材料 / トンネル現象 / シリコンナノデバイス |
Research Abstract |
本研究は、単電子(単正孔)の輸送過程を制御した新機能デバイスを開拓し、ポストスケーリングへの展開を図ることを目的としている。平成20年度の主要な成果を項目別に記す。 (1) 単正孔トランジスタによるフォトン検出 : 特殊な下地Si基板(p on p^+)を用いて、基板中で吸収されたフォトンの効果を引き続き調べた。その結果、光入射とともに表面側に作製した単正孔トランジスタの電流値が大きく変化し、やがて飽和して定常電流となるが、この電流値がさらに時間とともにステップ的に変化し、蓄積電子数の1個単位の変動による可能性を示した。これは、フォトン感度の検出能力を示唆している。 (2) ランダム多重接合系における単電子転送 : シミュレーションから、不均一なトンネル多重接合であっても、3ドット系で中央ドットが最大であれば単電子転送が保証されることが判明した。これはデバイスの設計指針となる。また、極低温KFMにより、チャネル中の単一ドーパントの観察に成功した。今後、デバイス特性との関連を調べていく。 (3) 転位網利用周期ポテンシャルFET : これまで転位網をチャネル部に内包するFETが、多重トンネル接合としての単電子特性を示すことを示してきた。今期は、このデバイス自体の透過電子顕微鏡(TEM)観察を行い、ソース・ドレイン部に部分的に転位網の存在を確認できたが、チャネル部での検出は困難であった。TEM試料作製段階で、構造が破壊されている可能性があることを示唆している。
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