2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18063011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀 勝 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (80242824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 成剛 名古屋大学, 大学院工学研究科, 研究員 (80397471)
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Keywords | カーボンナノウォール / カーボンナノ構造体 / 半導体物性 / 自己組織化 / グラフェンシート / ドーピング / プラズマプロセス / 先端機能デバイス |
Research Abstract |
ナノメーターサイズのグラファイトによって構成されているカーボンナノウォールの電子物性制御技術の確立と新機能を探索することを目的に、下記に示す研究課題を実行し、知見を得た。 1.ナノグラファイト構造の制御 カーボンナノウォールはナノメーターサイズのグラファイトによって構成されている。そのため、電子物性はグラファイトの構造に由来していると考えられている。そこで、電子物性制御のためにナノグラファイト構造の制御を行った。投入電力をパラメーターとしてカーボンナノウォールを作製し、走査型電子顕微鏡で評価した結果、形状の変化は得られなかった。内部のグラファイト構造評価のためにラマン分光法を行った結果、投入電力が低いほどグラファイトの端や欠陥の減少により黒鉛化度が高くなっていることが判明した。投入電力を変化させることでグラファイト構造の異なるカーボンナノウォールの作製を可能とした。 2.電気的特性の制御 カーボンナノウォールを構成するナノメーターサイズのグラファイトを修飾することにより電気的特性の制御を試みた。実験としてはカーボンナノウォール成長ガス中に微量窒素添加を行った。X線光電子分光法の結果、窒素に起因するピークが検出され、窒素がカーボンナノウォール中に存在することが判明した。ラマン分光法からグラファイト構造が変化するという知見も得たことから、ナノグラファイトが窒素によって修飾されていると考えられる。ホール測定結果から、窒素添加流量に伴ってカーボンナノウォールの抵抗率が減少した。一般的な半導体に不純物ドーピングを行った場合と同様に考えると、窒素が電子を供給する役割を果たすために、抵抗率が減少したと考えられる。以上、カーボンナノウォールのドーピングによる電気特性制御を実現した。
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Research Products
(3 results)