2006 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性シリサイドの形成とソース/ドレインエンジニアリング
Project/Area Number |
18063018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮尾 正信 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (60315132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐道 泰造 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20274491)
権丈 淳 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (20037899)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 集積回路 / スピントロニクス / シリコンゲルマニウム |
Research Abstract |
スケーリング限界に直面しつつあるシリコン集積回路(Si-ULSI)の限界打破を目指して、Si_<1-x>Ge_x(0≦X≦1)ヘテロ半導体をULSIに活用する研究が国内外で盛んに行われている。この様なSiGeヘテロ半導体に、「スピンの機能」をも導入する事が出来れば、デバイス性能は飛躍的に向上し、21世紀のユビキタス情報通信に対応した未来型ULSIの創製が可能となる。我々はそのブレークスルーを、スピン偏極型強磁性シリサイド(Fe_3Si)をソース/ドレインとしたスピントランジスタに求め、本研究ではFe_3Si/SiGeヘテロ界面を原子層で制御すると共に界面特性を解析し、S/Dエンジニアリングを構築する。 本年度は、Si, Ge基板上におけるFe_3Si薄膜のエピタキシャル成長を検討した。異なる面方位((100)、(110)、及び(111))のSi及びGe基板上に、固体ソースを用いた超高真空分子線堆積法によりFeとSiを同時堆積し、試料を作製した。X線回折測定の結果、Si(100)及びGe(100)のいずれの基板上においても、Fe_3Si層は多結晶成長している事が判明した。一方、(110)及び(111)方位のSi及びGe基板上では、Fe_3Si層がエピタキシャル成長している可能性が示唆された。これらの結晶性を詳細に評価する為、ラザフォード後方散乱法によるチャネリング測定を行った。(100)基板上に多結晶成長したFe_3Si層に比べ、エピタキシャル成長が示唆された試料群((110)及び(111)基板上の成長)の方が、低いχmin値を示した。特にGe(111)基板上では、極めて低いχ_<min>値(7%)となった。 これらの結果は、(1)Fe_3Siの格子定数(0.565nm)は、Si(0.543nm)とは約4%の隔たりがあるが、Ge(0.565nm)とはほぼ一致している事、(2)Fe_3Si(111)表面の原子配列はSi, Ge(111)結晶の原子配列と同一である事等から定性的に理解する事ができる。すべての原子がヘテロ界面で整合しうる可能性が強い事を示唆する結果である。
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Research Products
(2 results)