2007 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性シリサイドの形成とソース/ドレインエンジニアリング
Project/Area Number |
18063018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮尾 正信 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (60315132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐道 泰造 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (20274491)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 集積回路 / スピントロニクス / シリコンゲルマニウム |
Research Abstract |
スケーリング限界に直面しつつあるシリコン集積回路(Si-ULSI)の限界打破を目指して、Si_<1-X>Ge_x(0≦X≦1)ヘテロ半導体をULSIに活用する研究が国内外で盛んに行われている。この様なSiGeヘテロ半導体に、「スピンの機能」をも導入する事が出来れば、デバイス性能は飛躍的に向上し、21世紀のユビキタス情報通信に対応した未来型ULSIの創製が可能となる。我々はそのブレークスルーを、スピン偏極型強磁性シリサイド(Fe_3Si)をソース/ドレインとしたスピントランジスタに求め、本研究ではFe_3Si/SiGeヘテロ界面を原子層で制御すると共に界面特性を解析し、S/Dエンジニアリングを構築する。 本年度は、前年度に取得したFe_3Si/Si,Ge界面構造と成長条件に関するデータを定量的に解析すると共に、それらの結果を基に、Fe_3Si/SiGeヘテロ界面を原子層レベルで平坦化する手法を探索した。 Fe_3Si/SiGeヘテロ界面の格子不整合率はSiGe基板のGe濃度の増加につれ減少する。従って、高Ge濃度のSiGe基板を用いる事により、格子不整合の小さなヘテロ界面の形成が可能となる。しかし、Ge-Ge結合の強度はSi-Si及びSi-Ge結合よりも弱い為、高Ge濃度基板上では、Si基板上よりもヘテロ界面での原子混合が生じやすくなる。そこで、Fe_3Siの成長レートを低速化して供給原子の表面移動を促進させる事によりFe_3Si層の成長温度を低温化し、界面の原子混合の抑制を検討した。更に、Fe_3Si層の組成比を精密に制御することにより、Fe_3Si層の格子定数をSiGe基板に完全整合させる手法を検討した。以上により、原子層レベルで平坦なFe_3Si/SiGeヘテロ界面が実現できた。
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