2009 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性シリサイドの形成とソース/ドレインエンジニアリング
Project/Area Number |
18063018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮尾 正信 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (60315132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐道 泰造 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (20274491)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 集積回路 / スピントロニクス / シリコンゲルマニウム |
Research Abstract |
スケーリング限界に直面しつつあるシリコン集積回路(Si-ULSI)の限界打破を目指して、Si_<1-X>Ge_X(0≦X≦1)ヘテロ半導体をULSIに活用する研究が国内外で盛んに行われている。この様なSiGeヘテロ半導体に、「スピンの機能」をも導入する事が出来れば、デバイス性能は飛躍的に向上し、21世紀のユビキタス情報通信に対応した未来型ULSIの創製が可能となる。我々はそのブレークスルーを、スピン偏極型強磁性シリサイド(Fe_3Si)をソース/ドレインとしたスピントランジスタに求め、本研究ではFe_3Si/SiGeヘテロ界面を原子層で制御すると共に界面特性を解析し、S/Dエンジニアリングを構築する。 本年度は、まず、強磁性シリサイド(Fe3Si)のエピタキシャル成長に与えるSi基板の面方位効果及び結晶成長条件を総合的に検討した。その結果、Si(111)面上において、結晶性が最も良好であることを見出すと共に、成長条件を最適化して、原子層レベルで急峻な界面を有するFe3Si/Si(111)構造を実現した。Si上における強磁性シリサイドの原子層制御エピタキシャル成長技術の創出である。 つぎに、スピン注入電極とスピン検出電極が空間的に分離された非局所電圧測定デバイスを作製した。反転磁界の異なる注入電極と検出電極の磁化配置に依存した非局所電圧信号の観測に成功し、ショットキー障壁を介したSi中へのスピン注入を実証した。Si系スピントランジスタの実現を加速する成果である。
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