2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18064007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 寛治 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (30106629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 俊郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00313346)
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Keywords | 相乗作用 / クラスター錯体 / ポリヒドリド / ルテニウム / オスミウム / 異種金属クラスター |
Research Abstract |
クラスター錯体は金属-金属結合で結び付けられた複数の金属中心を基本骨格としてもつ分子であり、基質との反応においてそれらの金属中心が協同的に作用することが期待される。従って特定の基質との反応を精緻に解析することにより金属中心間に働く相乗効果を明らかにすることができるとの考えに従って、Ru_2,RuOs,Os_2という3種の骨格を持つ二核テトラヒドリド錯体とジフェニルアセチレンの反応を調べた。反応の解析に当たっては最終生成物ばかりでなく反応中間体の構造を明らかにするとともに、反応機構については核磁気共鳴分光法を駆使して解析した。その結果、Cp^*RuH_4RuCp^*とジフェニルアセチレンとの反応では垂直配位型アセチレン錯体が選択的に生成し(TYpe A)、その類縁体であるCp^*OSiH40sCp^*との反応では、ルテニウムによって捕捉されたジフェニルアセチレンの芳香族性の炭素-水素結合がオスミウムによって切断され、選択的にオスマサイクル錯体が生成する(TypeB)ことを明らかにした。これに対してルテニウムとオスミウムの両者を含む混合金属クラスターCp^*RUH_4OsCp^*とジフェニルアセチレンの反応ではType A と TypeBの両方の反応が併発することを見出した。幾つかの反応中間体を単離し、単結晶X線構造解析を行うとともに、中間体の溶液中での挙動を調べることによって反応機構を解明し、それぞれの金属中心の果たす役割を提案した。 クラスター錯体における金属中心の相乗作用を観察するのに適したモデル化合物として、基本骨格内に電気陽性金属を含んだ新規クラスター、[(η^5-C_5Me_5)Ru(μ-H)]_3(μ3-ZnR)n(μ_3-H)_<2-n>と[(η^5C_5Me_5)]Ru]_2(μ-ZnR)_n(μ-H)_4-n(R = Me and Et; n = 1 and 2)を合成し、構造を解明した。
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Research Products
(8 results)