2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18064010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小澤 文幸 Kyoto University, 化学研究所, 教授 (40134837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 雅明 京都大学, 化学研究所, 准教授 (20292203)
滝田 良 京都大学, 化学研究所, 助教 (50452321)
中島 裕美子 京都大学, 化学研究所, 助教 (80462711)
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Keywords | 遷移金属 / 低配位リン相乗系 / ホスファアルケン配位子 / 配位子特性 / 混合原子価錯体 / 直接重縮合反応 |
Research Abstract |
(1) ホスファアルケン部位とホスフィン部位を併せもつ新規配位子(1-ホスファエテニル-2-ジアリールホスファニルフェロセン)を合成し、そのジメチル白金錯体およびπ-アリルパラジウム錯体を用いて、ホスファアルケンとホスフィンとの配位子特性を、NMRおよびX線構造解析により比較した。その結果、ホスファアルケンのσ供与性は、ホスフィンのそれとほぼ同等であることが分かった。また、新規配位子を有するπ-アリルパラジウム錯体が、ジエンのヒドロアミノ化反応に対して良好な触媒活性を示すことを見いだした。 (2) ジホスフィニデンシクロブテン配位子(DPCB)をもつヒドロキソ錯体([Rh2(μ-OH)2(DPCB)2])は、ヒドロシランとの反応によりヒドリド錯体([Rh2の(μ-H)(μ-OH)EDPCB)2])に、また一酸化炭素との反応により架橋カルボニル錯体([Rh2(μ-CO)2(DPCB)2])に、それぞれ変換された。X線構造解析により、後者の2つのロジウム中心はそれぞれ平面四角形と四面体形構造をもち、混合原子価状態を有する特異な錯体であることが分かった。 (3) ホスファアルケン系配位子をもつパラジウム触媒を用いて、芳香族C-H結合の直接的アリール化を経由する2-ブロモチオフェンの直接重縮合反応を行えることが分かった。 (4) 2, 6-ビス(ホスファエテニル)ピリジン配位子(BPEP)を用いて、Fe(I)、Fe(II)およびFe(III)錯体間で可逆的な相互変化を起こす新規鉄錯体を合成した。また、Fe(I)錯体が従来になく特異な幾何構造を有することを見いだした。
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Research Products
(13 results)