2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18064011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村橋 哲郎 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40314380)
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Keywords | パラジウム / 金属クラスター / 共役ポリエン / 金属鎖 / 多環式芳香族化合物 |
Research Abstract |
金属原子団の構造を高精度に1次元配列制御、2次元配列制御することは、「ナノワイヤー」や「ナノシート」等の新機能性物質・材料への夢を実現する鍵であるが、その分子科学的配列法は未発達である。本研究では、既存の金属の自発的自己集合法では達成できない、高精度の金属の1次元および2次元の規則配列法を確立することを目指して研究を進めている。具体的には、共役π系不飽和炭化水素を「分子テンプレート」として利用した新しい化学的手法を開発し、分子中で金属核配列を精密に制御することを目指す。また、次元あるいは2次元の金属規則配列をもとにした、新しい物性、反応性、触媒作用の基礎科学へと展開し、新機能性物質・材料の概念の創出を探ってゆく。 平成19年度では、1次元金属ワイヤーと2次元シートの間の相互変換について検討した。その結果、四核鎖パラジウム骨格を有するビスペリレンパラジウム四核錯体とシクロオクタテトラエンを反応させると片側のペリレンがシクロオクタテトラエンと交換し、その際に鎖状四核パラジウムが菱形状に骨格転位を起こすことが明らかになった。さらに生成したペリレン-シクロオクタテトラエン混合サンドイッチ錯体とジフェニルオクタテトラエンとの反応により、ペリレンとジクロオクタテトラエンがともにテトラエンと交換し、菱形状四核パラジウムは鎖状に戻ることも判明した。また、一次元パラジウム鎖錯体の物性検討についても開始し、電気伝導性について検討をおこなう中で、ポリエン-ポリパラジウム錯体が比較的高い電気伝導性を示すことを明らかにした。
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Research Products
(5 results)