2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18064011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村橋 哲郎 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40314380)
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Keywords | パラジウム / 金属クラスター / 共役ポリエン / 金属鎖 |
Research Abstract |
金属原子団の構造を高精度に1次元配列制御、2次元配列制御することは、「ナノワイヤー」や「ナノシート」等の新機能性物質・材料実現の鍵となるが、その分子科学的配列法は未開拓である。本研究では、既存の金属の自発的自己集合法では達成できない、高精度の金属の1次元および2次元の規則配列法を確立することを目指して研究を遂行している。共役π系不飽和炭化水素を「分子テンプレート」として利用した新しい化学的手法を開発し、分子中で金属核配列を精密に制御しようとしており、1次元および2次元規則配列法の開拓に成功してきている。 平成21年度では、2次元金属シートの構造制御に関連する検討を行い、サンドイッチ型四核シート錯体の性質解明を進めた結果、9員環シクロノナテトラエニルが正方形型四核パラジウムシートに対して面キャップ型配位子として有効に機能することを見出した。平成19年度に、ビスペリレンパラジウム四核錯体がシクロオクタテトラエンと室温で速やかに反応し、片側のペリレン配位子がシクロオクタテトラエンと置き換わった混合サンドイッチ錯体に変換することを明らかにしている。この混合サンドイッチ型4核錯体が9員環芳香族アニオンであるシクロノナテトラエニルと反応し、シクロオクタテトラエン-シクロノナテトラエニル混合サンドイッチ型四核錯体が生じることを明らかにした。また、不飽和炭化水素に挟み込まれた金属集合体のレドックス挙動について研究を進め、不飽和炭化水素上での金属の移動を伴う構造変換が起こることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)