2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18064017
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佃 達哉 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 教授 (90262104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 雄一 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (20332182)
角山 寛規 北海道大学, 触媒化学研究センター, センター研究員 (40390661)
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Keywords | 金クラスター / 有機配位子 / 化学組成 / 触媒機能 / クラスターサイズ / エレクトロスプレーイオン化質量分析 |
Research Abstract |
百個以下の原子からなる金属クラスターは,バルク金属では見られない新奇の構造・物性・機能を発現し,それらが構成原子数に応じて顕著な振る舞いを示すことから次世代の機能性物質の構成単位として大きな注目を集めている.本研究では,金属多核錯体と金属ナノ粒子結晶(約2nm以上)の中間サイズ領域の金属クラスターを有機配位子(チオールやホスフィンなど)で修飾した複合体を対象として,組成選択的かつ系統的な合成法の開発と構造・基礎物性の評価を進めている.本年度の主な実績は,下記の通りである. 1.グルタチオン(GSH)で保護された25量体金クラスターAu_<25>(SG)_<18>が,周辺サイズのクラスターに比べて,エッチングなどの化学反応に対して極めて高い安定性を示すことを見いだした. 2.アルカンチオール(CnSH)で保護された疎水性金クラスターをエレクトロスプレーイオン化質量分析法によって非破壊的に検出し,化学組成を決定することに初めて成功した.この方法を用いて,Au_<25>(SG)_<18>の電荷状態と安定性の関係を調べ,安定性の起源を検討した. 3.アルカンチオール保護金クラスターについて,Au_<38>(SG)_<24>とAu_<144>(SG)_<59>の2種類の魔法組成を発見し,その幾何構造について考察した.
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