Research Abstract |
直径3-5nmの均一な細孔構造をとるメソポーラスアルミナ(mesoAl_2O_3)は,通常のγ-Al_2O_3の3倍程度の高い比表面積を持っている.そのメソ細孔構造の維持に伴うアルミナ格子の歪みによって,mesoAl_2O_3はγ-Al_2O_3とは異なった物性が期待できる材料である. 報告者らは,酸化レニウムをmesoAl_2O_3に担持した触媒が,γ-Al_2O_3に担持したものに比べ単純オレフィンに対するメタセシス活性が高くなることを見出した.しかし,この触媒は極性官能基を有するオレフィンに対しては無力であった.一方,メチルトリオキソレニウム(CH_3ReO_3;MTO)は,単独ではオレフィンのメタセシス活性を示さないが,酸性担体であるシリカアルミナ(SiO_2-Al_2O_3)に担持すると,官能基化オレフィンにも適用できるメタセシス触媒になることが知られている.本研究では,mesoAl_2O_3をルイス酸で化学修飾することによって,ルイス酸修飾アルミナ担体の新規開発を試みた.そして,そのルイス酸修飾担体にMTOを担持して,極性官能基を持つオレフィンに対して優れたメタセシス活性を示す触媒の開発を行った.種々の検討の結果,エステル基,ケトン基,ハロゲン基,エーテル基などを有するオレフィンに対して,高いメタセシス活性を示すためには,修飾ルイス酸として,ハロゲン化金属が適していることがわかった.
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