2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ細孔曲面を配位場とする不均一系メタセシス触媒の創製
Project/Area Number |
18065004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾中 篤 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10144122)
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Keywords | メソポーラスアルミナ / 塩化亜鉛 / メチルトリオキソレニウム / メタセシス反応 / 官能基化オレフィン / ルイス酸修飾 / γ-アルミナ / XAFS測定 |
Research Abstract |
メソポーラスアルミナ(mesoAl_2O_3)に酸性を付与するために種々の酸性物質で表面修飾を行った結果,ZnCl_2修飾がMTOのメタセシス活性の向上に適していることを見出した.すなわち,mesoAl_2O_3にZnCl_2をエタノール中で含浸担持し,乾燥空気中400℃で焼成して,ZnCl_2で修飾したmesoAl_2O_3(ZnCl_2//mesoAl_2O_3と表記)を調製した.真空排気して活性化したZnCl_2//mesoAl_2O_3に,MTOのCH_2Cl_2溶液を加えて表面に固定して(MTO/ZnCl_2//mesoAl_2O_3と表記),窒素雰囲気下,Methyl 10-undecenoateなどの各種オレフィンのメタセシス反応を室温で行った.他の担体についても同様にメタセシス反応を行った.様々な多孔質担体にMTOを担持して,官能基化オレフィンに対するメタセシス活性を比較したところ,MTO/ZnCl_2//mesoAl_2O_3が最も高い触媒活性を示すことを見出した.この反応結果は,ルイス酸修飾したアルミナZnCl_2//mesoAl_2O_3の表面とMTOは化学結合を作り,担体のルイス酸サイトとレニウムカルベン種が相互作用し,オレフィンのメタセシス活性を発現したと考えられる.そこで,ZnCl_2とmesoAl_2O_3から表面に形成される亜鉛化学種を特定するためにXAFS測定を行った.その結果,ZnCl_2//mesoAl_2O_3およびZnCl_2//γ-Al_2O_3の第1近接距離は,ともにZnOおよびZnCl_2よりも短いことがわかった.これは,アルミナ表面と塩化亜鉛が結合を形成していることを示した結果と考えられる.また,ZnCl_2//mesoAl_2O_3,ZnCl_2//γ-Al_2O_3の表面亜鉛種は,塩化亜鉛や酸化亜鉛そのものではなく,酸素原子と塩素原子を亜鉛原子周りに配置した化学種であると推定される.
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Research Products
(4 results)