2006 Fiscal Year Annual Research Report
三座配位子によって活性化されたバイメタリック錯体の創製に関する研究
Project/Area Number |
18065011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西山 久雄 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (40135421)
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Keywords | ロジウム / 協奏触媒 / 有機金属 / 鉄触媒 / 不斉合成 |
Research Abstract |
本研究では、申請者が開発したN, N, NおよびN, C, Nさらには新規C, N, C型の三座型配位子を端末骨格として用い、金属錯体を創製し、新規な多金属協奏ならびに,均一系(溶液系)と不均一系(固体系)の両性質を含有する有機分子活性触媒を創製することを目的として、大量合成に耐えうる実践的炭素分子骨格構築法ならびに官能基変換法を開発する。具体的には、端末骨格に遷移金属(例えばロジウム、コバルト、イリジウム、ニッケル、白金、鉄、ルテニウム等)を導入し、第2金属として同種異種の組み合わせにより協奏的機能を有する新規な分子触媒を開発し、新規反応を連続的に組み合わせた反応から複雑ヘテロ有機分子を効率的に合成する経路を開発を検討してきた。最初は単一金属の錯体合成から始め、基本的な触媒性能の探索を行い、新規反応探索へ展開した。 配位子の設計と合成では、オキサゾリンを鍵骨格とし、NCN型修飾剤をアミノ酸を原料にして効率的合成経路を確立する。さらに、修飾剤の電子密度制御のため各種置換基を有する誘導体を数種合成する。金属錯体の合成:ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム`、ニッケル、パラジウムを中心に効率的な錯体合成法の確立と構造解析を実施する。バイメタリック化の検討では、上記錯体の調製の後、第2の金属を検討したが現在成功に至っていない。直接金属-金属結合を有する錯体とハロゲンやヒドリド、硫黄原子などで架橋した錯体を調製する。多金属の協調作業により、協奏機能について反応の観点からその発現を追求した。基本性能を検討するため、還元状態でのアミン類の反応から分子内環化反応を発見した。アセチレンに付加する過程を鍵にして、連続的にアルキンなどに付加する反応に適用できた。大量の無機塩基を使用しない。通常温度での反応とし、エネルギーのいる極低温を利用しない。触媒量の素子で骨格構築に成功し、原子効率を優先する。還元アルドール反応では、β-ヒドロキシエステル、β-アミノ酸誘導体など生理活性物質関速物質の効率的合成を実施した。ケトンのヒドロシリル化作用を有する鉄触媒も発見した。
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