2007 Fiscal Year Annual Research Report
三座配位子によって活性化されたバイメタリック錯体の創製に関する研究
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18065011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西山 久雄 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (40135421)
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Keywords | 協奏触媒 / 有機金属 / 炭素炭素結合形成 / 不斉触媒 / オキサゾリン / アルドール反応 |
Research Abstract |
新規な触媒設計の概念を構築し、利用価値の高い有機合成・変換反応へと応用することは重要な課題である。本研究では、新しい設計による端末三座配位子により活性化された金属中心にさらに第2の金属を導入し、不均一系触媒で見られる多金属連携・協奏による高触媒活性な分子触媒系の開発を目的とし、大量合成に耐えうる実践的な力量ある炭素分子骨格構築法ならびに官能基変換法の開発を目指した。具体的には、オキサゾリン骨格を二つ有する三座配位子を中心に、新規で綿密な設計に基づき金属分子環境を構築し、遷移金属の組み合わせにより、新規な有機分子の変換能を有する分子触媒を開発し、新規反応を組み合わせた連続的反応から複雑ヘテロ有機分子を効率的に合成する経路を開発する。こでは、単金属錯体上での新規反応や新触媒反応の発見を目指して、種々の光学活性窒素系配位子を用いて反応探索を実施した。 オキサゾリンを鍵骨格とし、NCN型修飾剤を電子密度制御のため各種置換基を有する誘導体を数種合成した。また、鉄を触媒にする系では、新しくイオウを基本元素とする配位子を用いる事を検討する。金属錯体の合成は、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、ニッケルを中心に効率的な錯体合成に成功し構造解析を実施した。多金属の協調作業により、協奏機能について反応の観点からその発現を追求した。具体的には、基本性能を検討するため、ヒドロメタル化を取り上げ、アセチレンに付加する過程を鍵にして、連続的にアルデヒドに付加する反応に適用し成功した。また、鉄触媒では、中間にヒドリドを経由する新規な反応を想定した探索を行った。大量の無機塩基を使用しない。一方、ロジウムでは触媒量の素子β-ヒドロキシケトン、β-ヒドロキシエステル、β-アミノ酸誘導体など生理活性物質および関連物質の効率的合成を目指し、成功した。エステルのα、β、γ位の不斉炭素を連続的に構築する合成設計にも展開することができた。
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Research Products
(2 results)