2008 Fiscal Year Annual Research Report
三座配位子によって活性化されたバイメタリック錯体の創製に関する研究
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18065011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西山 久雄 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (40135421)
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Keywords | 協奏触媒 / 有機金属 / 炭素炭素結合形成 / 不斉触媒 / オキサゾリン / アルドール反応 |
Research Abstract |
触媒設計の概念を新規に構築し、利用価値の高い有機合成・変換反応へと応用することは重要な課題である。本研究では、新しい設計による端末三座配位子により活性化された金属中心にさらに第2の金属を導入し、不均一系触媒で見られる多金属連携・協奏による高触媒活性な分子触媒系の開発を目的とし、大量合成に耐えうる実践的な力量ある炭素分子骨格構築法ならびに官能基変換法の開発を目指した。具体的には、オキサゾリン骨格を二つ有する三座配位子を中心に、新規で綿密な設計に基づき金属分子環境を構築し、遷移金属の組み合わせにより、新規な有機分子の変換能を有する分子触媒を開発し、新規反応を組み合わせた連続的反応から複雑な有機分子を効率的に合成する経路をや単金属錯体上での新規反応や新触媒反応の発見を目指して、種々の光学活性窒素系配位子を用いて反応探索を実施した。 また、亜鉛を触媒にする系では、新しくイオウを基本元素とする配位子を用いる事を検討し、亜鉛のみ触媒を発見し、さらに硫黄を含む配位子を設計合成し利用することにより90%に達するエナンチオ選択性を得ることに成功した。ロジウムでは触媒量の素子β-ヒドロキシケトン、β-ヒドロキシエステル、β-アミノ酸誘導体など生理活性物質および関連物質の効率的合成を目指し、成功した。エステルのα、β、γ位の不斉炭素を連続的に構築する合成設計にも展開した。また、エノン類を基質にした不斉還元アルドール反応において、条件検討の末、高アンチ高エナンチオ選択的反応を見出した。また、ルテニウムにおいては不斉水素移動型還元反応に成功し、遷移状態のヒドリド種の構造について考察できた。
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