2009 Fiscal Year Annual Research Report
三座配位子によって活性化されたバイメタリック錯体の創製に関する研究
Project/Area Number |
18065011
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西山 久雄 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (40135421)
|
Keywords | 協奏機能 / 有機金属 / 炭素炭結合形成 / 不斉触媒 / オキサゾリン |
Research Abstract |
触媒設計の概念を新規に構築し、利用価値の高い有機合成・変換反応へと応用することは重要な課題である。本研究では、新しい設計による端末三座配位子により活性化された金属中心にさらに第2の金属を導入し、不均一系触媒で見られる多金属連携・協奏による高触媒活性な分子触媒系の開発を目的とし、大量合成に耐えうる実践的な力量ある炭素分子骨格構築法ならびに官能基変換法の開発を目指した。具体的には、オキサゾリン骨格を二つ有する三座配位子を中心に、新規で綿密な設計に基づき金属分子環境を構築し、遷移金属の組み合わせにより、新規な有機分子の変換能を有する分子触媒を開発し、新規反応を組み合わせた連続的反応から複雑な有機分子を効率的に合成する経路をや単金属錯体上での新規反応や新触媒反応の発見を目指して、種々の光学活性窒素系配位子を用いて反応探索を実施した。 特に本年度では,新規配位子ビスオキサゾリニルフェニルアミンを合成し鉄よびコバルト錯体触媒に展開し不斉ヒドロシリル化反応に成功した。ケトンの還元ではコバルト触媒で98%光学収率を達成した。また,鉄においても88%と高い光学収率を得た。一方,ビスオキサゾリニルフェニル・ルテニウム錯体の合成に成功し不斉シクロプロパン化反応に成功した。触媒回転率200回でスチレンとジアゾ酢酸エステルとのシクロプロパン化は0℃で反応が進行し98%光学収率を達成した。また,ビスオキサゾリニルフェニル・ルテニウム錯体では不斉ボリル化反応が進行することを発見し,90%光学収率を越える結果を得た。
|