2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工補助因子による酵素活性中心の制御と新規触媒能の開発
Project/Area Number |
18065012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 洋 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00283151)
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Keywords | アズリン / チトクロムc / 温度応答性ポリマー / 情報変換 / 電子移動タンパク質 / 光応答性人工タンパク質 |
Research Abstract |
本研究では、人工補助分子によるタンパク質の機能賦与・改変を目指し、4年間の研究を行っている。当初は、非天然型酵素活性の発現に焦点を当てた研究を行ったが、今年度は更に、情報変換機能の賦与を目指した研究を開始した。具体的には、i)亜鉛ポルフィリン置換チトクロムcを利用した、光応答タンパク質、ii)銅タンパク質アズリンと温度応答性ポリマー(ポリイソプロピル「温度変化→電気的応答」シグナル変換系の構築、である。i)では、光照射によってスムーズに電荷分離を起こす機能改変チトクロムcを調製、電極への集積を図ることによって光応答電流が得られる、タンパク質修飾電極の作成に成功した。また、ii)では、アズリンの活性中心である銅イオンの配位子として、温度によって構造変化を生じるポリマーを固定した「アズリン-温度応答性ポリマー」複合体を調製した。得られた機能化アズリンは、酸化還元パートナーであるチトクロムc_<552>との電子移動反応において、ポリマーの構造変化に依存した反応速度の変化を示し、「温度変化→ポリマーの構造変化→タンパク質間電子移動変化」の過程を通じて、温度情報を電気的なシグナルへと変換することに成功した。現在は、電子移動速度の変化をより電流値の変化として検出することを目指して、機能化アズリンの電極への集積とデバイス化を目指した研究を進めている。以上のように、研究の進展具合は、おおむね順調であり、研究期間最終の21年度についても、様々な情報変換能を発現するタンパク質を人工補助分子との複合化手法を用いて実現してゆく。
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Research Products
(10 results)