2009 Fiscal Year Annual Research Report
均一系分子触媒による有機ホスフィンの新規合成法の開発とその新触媒創製への利用
Project/Area Number |
18065014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大嶌 幸一郎 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (00111922)
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Keywords | ホスフィン配位子 / 環化付加 / インドール / 立体障害 / 鈴木カップリング / パラジウム触媒 |
Research Abstract |
遷移金属触媒と1-アルキニルホスフィンを用いてヘテロアリールホスフィン誘導体を合成する手法について検討を行った。その結果、パラジウム触媒と塩基の存在下、1-アルキニルホスフィンスルフィドにN-アルキル-2-ヨードアニリンを作用させると環化反応が進行し、2-インドリルホスフィンスルフィドが良好な収率で得られることを見いだした。 炭酸カリウムと触媒量のPd(acac)_2存在下、ジフェニル(フェニルエチニル)ホスフィンスルフィドに対してN-メチル-2-ヨードアニリンをDMSO中90℃で作用させると、対応する2-インドリル置換ホスフィンが収率良く得られた。本インドリルホスフィン合成法の基質適用範囲は広く、嵩高いホスフィンスルフィドや官能基を有するホスフィンスルフィドも容易に合成できた。 本反応により新たに生成するインドール環は、チオホスフィニル基に隣接する位置に1-アルキニルホスフィンスルフィド由来の置換基R^3を有する。この置換基および窒素上のアルキル基R^1がリン原子周りに立体的に混み合った環境を生みだす。従来の2-インドリルホスフィンの合成法はインドール環の合成とそれに引き続くリン原子の導入という過程を経る必要がある。これに対し、本反応ではインドール環の構築とリン原子と置換基の適切な位置への導入が同時に起こる。その結果、従来の方法では合成に多段階が必要、もしくは合成が困難であったホスフィンの簡便な合成が可能となった。本手法により合成できるインドリルホスフィンは、鈴木宮浦交差カップリング反応における優れた配位子として利用できることも明らかとなった。
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Research Products
(2 results)