2008 Fiscal Year Annual Research Report
活性プロトン耐性触媒による実践的直接分子変換法の開発
Project/Area Number |
18065015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 章夫 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (20144438)
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Keywords | 合成化学 / 触媒・化学プロセス / ガリウム / ルイス酸 / インジウム / カップリング反応 / アルコール / Friedel-Crafts |
Research Abstract |
本研究で得られた成果を4つにわけて示す。 1 アルコールとアルケニルケイ素の触媒的カップリング反応 これまで、アルケニル求核種とアルコールを直接触媒的にカップリングさせる手法は、きわあて限定きれた基質においてのみ知られていた。今回、インジウムおよびビスマスを触媒とすることで、この反応が、広範囲の基質に適応可能であることがわかった。これらの触媒が耐プロトン性であることと、そのような条件下でもルイス酸性を失わず、中程度の酸性を保持できることが成功の鍵である。また、本反応の反応機構の解明を行い、ルイス酸とアルコールの相互作用についても知見を得ることができた。 2エステルを出発原料とするFriedel-Crafts反応の開発 Friedel-Crafts反応は、通常、ハライド(酸ハライドを含む)を出発として行う。これらより安定かっ容易に大量に得られるエステルを出発原料として用いることができれば、実用的にもきわめて価値が高い。本研究において、ヒドロシラン共存下、インジウム触媒を用いることで、この反応が効率よく進行することを見いだした。本反応は、多くの反応基質に適応可能であり、天然物の前躯体合成にも成功した。 3アルコールの触媒的塩素化 アルコールを活性化することなく、ガリウム触媒を用いることで、クロロシランを反応試薬として用いると、効率よくアルコールの直接塩素化反応が進行した。このとき、酒石酸の添加が必須で、系中において、新しいケイ素反応剤が発生し、ガリウム触媒と巧みに反応進行を促進していることを明らかにした。 4その他 上記の他に、ゲルマニウム、スズを用いた新規反応を開発し、反応機構を含めて本課題の知見をサポートする情報を得た。
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Research Products
(13 results)