2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型分子変換システムの構築を目指した固体の特性に基づく機能集積型触媒の開発
Project/Area Number |
18065016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金田 清臣 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90029554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
實川 浩一郎 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (50235793)
水垣 共雄 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (50314406)
満留 敬人 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任助手 (00437360)
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Keywords | 固体触媒 / ヒドロキシアパタイト / ルテニウム / アルコール酸化 / モンモリロナイト / パラジウム / サブナノ / アリル位置換反応 |
Research Abstract |
我々は、「固体表面の特性を利用した新規触媒機能の開拓」を機軸として、21世紀の化学が目指す環境調和型化学変換プロセスの構築を目的とした高機能性触媒の開発を行っている。本研究では、無機結晶をマクロリガンドとして捉え、新規触媒機能を発現させ、さらに、固体表面上に異なる機能を集積することで、環境調和型分子変換システムを実現する機能集積型触媒の開発を目指した。以下、主な成果について述べる。 (1)磁性粒子内包HAP触媒を用いたアルコール酸化反応^1 我々は、これまでに、生体硬組織の主成分であるハイドロキシアパタイト(HAP)にルテニウムを固定化した触媒(RuHAP)を開発し、分子状酸素を用いたアルコール酸化反応に高活性を示すことを見出している。このRuHAP触媒に、酸化鉄微粒子(γ-Fe_2O_3)を共存させ、磁石による触媒の分離能を付与した磁性粒子内包RuHAP(RuHAP-γ-Fe_2O_3)を開発した。RuHAP-γ-Fe_2O_3は種々のアルコール酸化反応に極めて高い触媒活性を示し、これまで報告されたRu触媒の中で最も高い活性を示した。 (2)モンモリロナイト(mont)層間を利用したサブナノPdクラスターの調製とアリル位置換反応^2 天然層状粘土鉱物montのもつサブナノメートル領域の層間へPdを導入し、これまで調製困難であったサブナノサイズのPdクラスター合成を可能とした。さらに、このmontに固定化したPdクラスターが、有機配位子を用いないアリル位置換反応を進行させる初めての触媒となることを見出した。また、本触媒は再使用を重ねてもサブナノサイズを維持する。
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Research Products
(15 results)