2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18066005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹井 理生 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (30178628)
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Keywords | 生物物理 / 化学物理 / 自己組織化 / 生体分子 / 蛋白質 |
Research Abstract |
蛋白質による高効率化学反応制御の基本原理の解明を目指して、複合電子系としての酵素による反応および、それを引き金として生じる蛋白質の大規模構造変化による情報伝達、エネルギー変換を理解するための動力学の概念と理論的方法を研究した。この研究では、蛋自質フォールディングの研究で開発されたエネルギーランドスケープ理論、および蛋白質立体構造予測のために開発されたフラグメントアセンブリ法を蛋白質の情報伝達、エネルギー変換反応に適用し、蛋白質の大規模構造変化に伴う柔らかいダイナミクスを解明するための新しい分子理論を展開した。とりわけ(1)アクトミオシンなどの分子モーターの動作機構を分析し、水を介した蛋白質間相互作用の重要性について分析を行った。(2)アロステリック協同性を分析して蛋白質の大きな構造変化が化学反応を制御する機構を理解した。リガンドが結合する前でも蛋白質が大きな構造ゆらぎを示す現象を明らかにした。(3)エネルギーランドスケープ理論をもとに、蛋白質のフォールディング過程の考察に基づく新規の立体構造予測法を開発した。100残基を超える複雑なトポロジーを有する蛋白質について、新規に開発された構造予測法を適用し、その能力を評価した。(4)シアノバクテリアの時計蛋白質,KaiA,KaiB,KaiCからなるシステムの相互作用モデルを構築し、蛋白質相互作用が概日周期を生み出す機構を分析した。(5)ある遺伝子から合成された蛋白質が、その遺伝子のプロモータ領域に結合し、リプレッサーとして働く単純なフィードバック回路を形成する場合を例にとり、蛋白質個数の増減の確率過程を分析した。
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Research Products
(14 results)