2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
Molecular Theory for Real Systems
Project/Area Number |
18066009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
SAKAKI Shigeyoshi Kyoto University, 大学院・工学研究科, 教授 (20094013)
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Project Period (FY) |
2006 – 2010
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Keywords | 理論化学 / 電子状態理論 / 統計力学 / ダイナミクス / 分子動力学シミュレーション / 実在系 / 量子化学 / 化学反応 |
Research Abstract |
現代の化学の特徴として、周期律表の全ての元素の組み合わせによる多種多様な分子や物質を研究対象としていること、比較的小さい分子からナノスケールの分子まで研究対象に登場していることなどが上げられる。従って、多様な物質を対象とした現在の化学を更に発展させるには、微視的視点からの知見と考察、統一的な見方、一貫した基礎概念、基礎的法則からの理解が不可欠であり、理論化学・計算化学の重要性はこれまで以上に大きくなっている。しかし、現状の理論化学・計算化学が実験化学の真のパートナーとして力量を発揮するには不十分な点が多い。本研究では、現在の理論化学に欠けている本質的な弱点を解決し、統合的な分子理論を確立すること、さらに、現実の実在系に適用し、微視的・量子化学的視点から本質を明らかにし、統一的な分子論的理解と理論先導的予測を実現しようとするものである。 具体的には、電子状態理論の高速化・高精度化、ダイナミックス理論の新展開、統計性の考慮、溶媒、置換基を含めた実在系の理論計算法の開発を含む統合的分子理論を構築し、複合複雑電子系の構造と反応制御、ナノスケール分子の電子状態と物性の評価と設計・制御、超分子、生体分子系の構造と反応過程の解明と理論予測、反応過程のダイナミックスの解明などを達成する。これらを総合し、電子状態理論と統計化学、双方の観点からアプローチする統合的分子理論の構築を行う。
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