2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18066013
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉澤 一成 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授 (30273486)
|
Keywords | 量子化学 / 分子理論 / 酵素反応 / 物性化学 / 金属酵素 / 量子輸送 / 大規模計算 |
Research Abstract |
本研究では生体内の化学反応と電子輸送過程の理論的研究を行った。生体系における電子移動反応は酵素反応において極めて重要な役割を果たしている。一次元系のコンダクタンスを与えるLandauerの理論がナノスケール領域における電気伝導理論として用いられ、ナノサイズ分子特有の伝導現象を示す分子ワイヤーのI-V特性などが再現されている。ここでは、量子化学の重要な概念である軌道理論から分子ワイヤーのコンダクタンスについて議論した。分子における電子の輸送にはフロンティア軌道の振幅と位相が決定的な役割を果たすことを示した。さらに、メタンモノオキシゲナーゼ、ジオールデヒドラターゼ、フルオロアセテートデハロゲナーゼなどの酵素反応について大規模計算を実施し、酵素の構造と反応性に関する理論的研究を行った。これらの成果は、Journal of the American Chemical SocietyやChemistry-European Journalをはじめとするインパクトファクターの高いジャーナルに公表された。
|
Research Products
(18 results)