2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18066014
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
本間 健二 兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 教授 (30150288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下條 竜夫 兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 助教授 (20290900)
松本 剛昭 兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 助手 (30360051)
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Keywords | 気相遷移金属原子 / 交差分子線 / 反応ダイナミクス |
Research Abstract |
気相遷移金属原子の反応において、金属原子の電子状態を選別した反応を観測することから、反応を支配する電子状態ポテンシャルの相互乍用の実態を解明することが目的である。 本年度は、交差分子孫反応装置を用いて以下の反応について測定を行い機構の解明を行った。 V(a^4F_j)+NO→VO(X)+N パナジタムは低いJニネルギーに準安定励起状態V(a^6D_J)かおり、通常のレーザー蒸発法では基底状態と同時に、この励起状態もかなりの量生成する。これまでの反応速度論的な研究によると、この励起状態は基底状態に比べ数10倍大きな反応速度定委を持っていることがわかっている。従って、この励起状態を反応Vビームから除かなくては、目的反応が観測できないことになる。本研究では、キャリヤーガスに少量のアンモニアを混ぜることで、準安定励起状態を効率良く失活できることを見いだし、ほぼ純粋な基底状態の反応を観測することができた。 生成物VOはレーザー誘起ケイ光法によって振動・回転状態を選別して測定した。反応のエネルギーは衝突エネルギーを含めてVOの振動基底状態と第1振動励起状態を生成することが可能であるが、ほとんど振動基底状態にあることが明らかになった。また、回転状態はほぼ統計的にエネルギー分配が行われたとした時に期待される分布と一致した。 この結果は、反応がVONという安定な中間体を経て進んでいることを示している。Sc源子やTi原子の反応については、ポテンシャルエネルギー面の計算が行われ、イオン性の(M+NO-)安定な中間体が存往することが示唆されている。本研究の結果は、Vにおいても類似のポテンシャル面で反応が進んでいることを示唆していると考えられる。
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[Journal Article] Inner-shell excitation spectroscopy, and fragmentation of small hydrogen-bonded clusters of formic acid after core-excitations at the oxygen K-edge2006
Author(s)
K.Tabayashi, K.Yamaoto, O.Takahashi, Y.Tamenori, J.Harris, T.Gejo, M.Iseda, T.Tamura, K.Honma, 他
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Journal Title
The Journal of Chemical Physics 125
Pages: 194703(10)
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