2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18066014
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
本間 健二 University of Hyogo, 大学院・物質理学研究科, 教授 (30150288)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下條 竜夫 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 准教授 (20290900)
|
Keywords | 交差分子線 / 気相反応ダイナミクス / 遷移金属原子 |
Research Abstract |
気相遷移金属原子の反応の特徴は、複数の電子状態ボテンシャル面か反応に関与することである。その実体を明らかにするためには、反応原子の始電子状態を選別して反応を観測する必要がある。また、電子状態のエネルギーが近いために衝突によって容易に変換してしまうので、選別した雷子状態を単一衝突条件で観測することが不可欠である。 本年度は、以下の反応について選択的に電子状態を生成し、その反応を観測した。 Ti(a^3FJ)+O_2→TiO(A^3Φ)+O (1) Ti(a^5FJ)+O_2→Tio(A^3Φ, B^3II)+O (2) V(a^4FJ)+O2→VO(B^4Σ)+O (3) Cr(a^7S_3+O_2→CrO(X^5II)+O (4) 反応(1), (3), (4)は電子基底状態の反応であるが、励起状態が低い手ネルギーに存在するので、レーザー蒸発法では純粋な基底状態を準備することが難しい。本研究では、キャリヤーガスに少量のアンモニアを混ぜてほぼ純粋な基底状態のビームを得ることができた。また、反応(2)ではレーザー光ポンピングによって励起状態を生成し、このポンピングと同期した反応を観測することによって、励起状態の反応によって生成するTiOをはじめて観測した。 励起状態生成物の化学発光や基底状態生成物ではレーザー誘起ケイ光スペクトルを観測して、生成物の振動/回転状態分布を決定した。その結果、全ての反応において、エネルギー分配は統計的な分布に近く、反応中間体の寿命が長いことが示唆された。これは、遷移金属原子の酸化反応で提案されている反応機構のうち、電子移動が反応をリードしそれに引き続いてイオン性の安定な中間体ができるというものが正しいことを示している。
|
Research Products
(5 results)