2007 Fiscal Year Annual Research Report
量子揺らぎの最適制御による確率的情報処理と情報統計力学
Project/Area Number |
18079001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 純一 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (30311658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雑賀 洋平 和歌山工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (40280432)
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Keywords | 統計力学 / 確率的情報処理 / 量子揺らぎ / 量子情報 / 量子モンテカルロ法 / スピングラス / レプリカ法 / 情報統計力学 |
Research Abstract |
多体相互作用を持つ無限レンジ・スピングラス模型で記述されるソーラス符号と呼ばれるクラスの誤り訂正符号に対し,横磁場項を導入した量子版のベイズ最適解に関する統計的性質を調べるための第1歩として,、昨年度までに得られた1段階レプリカ非対称解についての相図に対し,ゼロ誤り限界(シャノン限界)と強磁性-スピングラス相転移点の関係についての普遍性を明らかにするため,その限界を達成するための具体的復号アルゴリズムを2体相互作用の場合に対する修正平均場方程式に基づき構成し,そのアルゴリズムの収束限界を調べた.この結果は本年(2008年)7月にギリシャ・クレタ島で開催される国際会議SigmaPhi2008で発表される. また,本研究課題では量子揺らぎを用いた情報処理についての知見を深める(Deepening)とともに,新たな情報処理の諸問題を開拓していく(Expanding)こともその目的とする.昨年来取り組んできた印刷技術において用いられるデジタル・ハーフトーン処理,及び,逆デジタル・ハーフトーン処理の情報統計力学の方法を用いて定式化,CDMAマルチユーザ復調器のMAP解の個数をスピングラスに対して開発されたTanaka-Edwardsの方法で計数,インターネット・トレーディングシステムにおける第1通過時間の解析,不規則性を持つ壺模型における占有分布の冪則とボース凝縮の関係についての数理解析が研究成果として完成し,次ページに示すような雑誌投稿論文/国際会議発表に結びついた.
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